本日ご紹介するのは、ウィーンの中心街に建つリヒテンシュタイン・シティパレス。ウィーン最古のバロック建築として、訪れる人々を魅了し続ける宮殿だ。
出典: © Palais Liechtenstein GmbH

リヒテンシュタイン・シティパレスは、ウィーンの旧市街、ホーフブルク宮殿からもほど近い場所に位置する。17世紀当時のウィーンに初めて建てられたバロック建築で、北に2kmほど離れた場所にあるリヒテンシュタイン・ガーデンパレスとともに、いまなおリヒテンシュタイン侯爵家が所有する非常に貴重な建築物だ。

出典: © Palais Liechtenstein GmbH

リヒテンシュタイン・シティパレスは、ハプスブルク家の重臣であったリヒテンシュタイン侯爵家の邸宅として1691年に建てられ、以降も増築や改築が繰り返されてきた。第二次世界大戦下には、爆撃で上階部分が完全に破壊される悲劇に見舞われたこともあった。

出典: © Palais Liechtenstein GmbH

2000年代には、往時の輝きを取り戻すべく5年間にわたって大規模な改修が行われ、ハインツ・フィッシャー前大統領出席のもと、2013年4月9日に再び公開された。

出典: © Palais Liechtenstein GmbH

リヒテンシュタイン・シティパレスの1階には面積約150㎡の広さのホールがあり、2階の各部屋の総面積は約250㎡、3階は約320㎡に及ぶ。宮殿内の各スペースはレンタルも可能で、レセプションや、結婚式、ガラ・ディナー、授賞式、ファッションショーやコンサートなどの各イベントに使用することができるとのこと。想像するだけでなんとも心華やぐ。

出典: © Palais Liechtenstein GmbH

内部を見学するためには、毎月第2金曜に行われるツアーへの申し込みが必要。バロック式の漆喰天井、豪奢なネオ・ロココ様式のインテリア、繊細な寄木細工のフローリングなどは、いずれも一見の価値あり。シャンデリアのキャンドルは、改築時に約1200個のLEDライトに取り替えられ、かつての栄華をしのばせる。

出典: © Palais Liechtenstein GmbH

長きにわたって収集された、侯爵家が誇るアート・コレクションもリヒテンシュタイン・シティパレスにおいて見逃せないもののひとつ。フリードリヒ・アマーリング、フリードリヒ・ガウアーマン、フェルディナント・ゲオルグ・ヴァルトミュラーなど、ウィーン芸術史に残る名画の数々が展示されている。

ウィーンを訪れたなら、ぜひ足を運びたい場所のひとつだ。

ウェブサイト Palais Liechtenstein
内部のバーチャルツアーはこちらから