ツークシュピッツェの頂へ一気に登るロープウェイが開通した。山頂には氷雪ホテルまである。冬のドイツアルプスの楽しみ方をご紹介しよう!

2017年12月21日、ドイツ最高峰のツークシュピッツェ(Zugspitze)に、構想に3年、建設に3年をかけた、ドイツの本気度が表れたロープウェイが登場した。「ツークシュピッツェ・ロープウェイ(Seilbahn Zugspitze)」は、2962mの高さにある山頂駅へ10分ほどで連れて行ってくれる。

出典: Bayerische Zugspitzbahn Bergbahn AG

ロープウェイの出発地はオーバーバイエルン(Oberbayern)にあるアイプ湖(Eibsee)。目的地までの標高差は1945mもあるのに、支柱は127m地点に一箇所あるのみだ。その後の3213mの距離を、ロープだけを頼りに一気にググッと登る。その感覚はまるで、空飛ぶ絨毯のよう。

出典: www.foto-webcam.eu

ゴンドラキャビンの壁面は足元までガラス張りで、ドイツアルプスの景色を空中から360度堪能できる。高所恐怖症の人は、壁側に乗らないようお勧めしたい。

目的地の山頂展望台は断崖絶壁に建っている。遥か遠くまで連なる山々があまりに美しく、険しく切り立った崖に立っていることをうっかり忘れてしまいそう。

出典: © DZT/Moritz Kerztscher

天気がよければ、ロープウェイの出発点であるアイプ湖の形もくっきり見下ろせて、オーストリアやスイスも一望できる。

山頂にはカフェやレストランがあり、コーヒーブレイクやドイツビールを楽しむ人々で賑わう。山頂郵便局もあるので、ゆっくり葉書を書いてみるのもいい。

出典: Wikipedia CC BY-SA 3.0

そして、ツークシュピッツェには、イヌイットの家屋「イグルー」風の、雪で作ったドームホテル「イグルードーフ(Iglu-Dorf)」がある。

出典: www.iglu-dorf.com

ロビー、レストランにバー、全て雪と氷でできている。雪のレストランで食べる、熱々のチーズフォンデュは格別だ。

客室の種類も豊富で、シンプルなドームの中にベッドがある「スタンダードイグルー」、家族でくつろげる「ファミリーイグルー」、雪のアートが施されたロマンチックな二人部屋「ロマンチック」、専用のジャグジーがついた「スイートイグルー」、暖房完備の「ホットイグルー」など、シーンに応じて部屋を選ぶことができる。

出典: www.iglu-dorf.com

日本の「かまくら」と同じように、ドームの中は意外と暖かく、快適に過ごすことができる。しかも、施設内にはサウナやジャグジーバスまであるというから驚きだ。

出典: www.iglu-dorf.com

ただし、こちらのホテル、冬季限定であることにご注意。雪解けの季節になれば、ツークシュピッツェの雪とともにドームも溶けてなくなってしまう。つまり、毎年新しい氷雪ホテルがお目見えするということだ。この冬、オープンしたてのロープウェイで、冬のドイツアルプスをじっくり味わってみるのはいかがだろう。