ドイツでは、クリスマスの4週前の日曜からがいよいよ本格的なシーズン。同じくメインで祝われる12月24、25日に向けて、着々と準備が進められている。そこで、ドイツで今まさに見られる8つのシーンを集めてみた。

街でグリューヴァインが香る
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多くの街では、11月末、あるいは12月頭からヴァイナハツマルクト(Weihnachtsmarkt、クリスマスマーケット)が開かれる。ヴァイナハツナルクトに欠かせないのがグリューヴァイン(Glühwein)のスタンドで、シナモンやチョウジ、カルダモンなどのスパイスが加えられたホットワインの香りが辺りにふんわりと漂う。冷えた体をグリューヴァインで温めながら語らうドイツ人たちの姿は、この時期の風物詩だ。

モミの木売りが広場に立つ
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ドイツではほとんどの人が生のモミの木のクリスマスツリーを自宅に飾る。モミの木を購入するのは、大きめの広場や通りにできる「特設販売所」。モミの木が大きさごとにずらりと並べられ、人々は好みの1本を選び、網で包んでもらって家に持ち帰る。飾り付けはたいてい12月24日に行い、そのまま1月6日の「東方三博士の日」まで飾っておくのが通例。

子どもたちはアドベンツカレンダーにうきうき
出典: flickr/Marco Verch CC BY 2.0

12月1日から24日まで、24の小さな“窓”を開いてゆくアドベンツカレンダー(過去記事はこちら)。子どもたちは家にアドベンツカレンダーを準備してもらい、朝起きるとすぐにその日の窓を開け、中のおもちゃやお菓子などのささやかなプレゼントに大喜び。指折り数えながらクリスマスがやってくるのを楽しみに待つ。

自家製焼きリンゴを味わう
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ドイツのクリスマスシーズンに欠かせないものといえば、焼きリンゴ。ボスクープなどのしっかりとした果肉が特徴のリンゴの芯をくり抜き、その穴にナッツ、レーズン、マジパンなどを詰める。オーブンに入れ、皮が軽くはじけるまで焼き上げればでき上がり。バニラアイスやバニラソースとともにいただけば気分はすっかりクリスマスだ。

オフィスのクリスマスパーティーが開かれる
出典: Wikipedia CC BY-SA 3.0

ドイツの多くの会社、とくにオフィスワークを主とする企業では、クリスマス前にパーティーが開かれる。上長の短いスピーチがあり、ビュッフェや飲み物を楽しむのが定番で、プレゼント交換のためにそれぞれが5~10€程度のささやかなプレゼントを用意することも。そのプレゼントに番号を振りくじ引きのようにして贈り合うこともあり、どれが誰に行くかは運次第。“不用品”が当たり笑い声が上がるのも一興だ。

人々はぎりぎりまでプレゼント選びに奔走
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日本のお正月やお盆のように、家族で集まるのがドイツのクリスマス。それぞれにぴったりなプレゼントを用意するのはマストで、もちろん恋人や大切な友人にも……。となると、多くの人がクリスマス直前までプレゼント選びに大忙し。“ユニークな”贈り物を探すストレスを皆が感じているとかいないとか……。

窓際にSchwibbogenが光る
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Schwibbogen(シュヴィブボーゲン)とは、木でできたアーチ型の装飾で、クリスマスシーズンになると窓際に置かれる。素朴な細工と電球やキャンドルの光がなんとも美しく、暗い冬をあたたかく照らしてくれる。もともとは東ドイツのエルツ地方の伝統だったが、いまではドイツ各地で愛されるようになった。

家々のイルミネーションが光る
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クリスマスツリーは本物のキャンドルで飾られるのが伝統。だが、最近では安価で安全な電飾がキャンドルの代わりに使われることも多い。加えて、家や庭の植え込みを電飾で飾る北アメリカの習慣が近年ドイツにも広がり、キラキラとイルミネーションで輝く家も見られるようになった。