時代を超えて、そして世代を超えて愛されている名作「ハイジ(Heidi)」。今から約140年前の1880年、スイスの女流作家ヨハンナ・シュピリ(Johanna Spyri)によって生まれた作品だ。
ヨハンナ・シュピリ(Johanna Spyri)

日本ではアニメ「アルプスの少女ハイジ」でおなじみだが、海外では実写版の映画やドラマとして、本作品は親しまれている。

2015年末、クリスマス映画としてヨーロッパを中心に公開され、過去最高の観客動員数を記録した映画「Heidi」の日本公開が始まっている。

こちらが日本で公開されている映画「ハイジ アルプスの物語」の予告編

監督は『リトル・ゴースト オバケの時計とフクロウ城の秘密』でも有名なスイス人映画監督、アラン・グスポーナー(Alain Gsponer)。ハイジ役は、原作の舞台でもあるグラウビュンデン州の出身で、500人の応募者から選ばれたアヌーク・シュテフェン(Anuk Steffen)。

出典: Constantin Film

グラウビュンデン州は、独特のスイスドイツ方言とロマンシュ語が話されている地域であるだけに地元言語が話せるかどうかも重要なポイントだった。やぎ飼いペーター役のクイリン・アグリッピ(Quirin Agrippi)も同州出身だ。

アルムおんじ役にはスイス出身の世界的にも名を馳せる名優で、映画『ヒトラー最期の12 日間』の主役ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツ(Bruno Ganz)。

出典: Constantin Film

ヒトラーからハイジのおんじ役へ、同一俳優とは思えないほどの変貌ぶりだ。

出典: Constantin Film

映画の撮影がおこなわれたのは、スイス東部のベルギューン村(ドイツ語:Bergün、ロマンシュ語:Bravuogn)にあるラッチ(Latsch)。昔ながらの風景や暮らしが今でも息づいている集落だ。

ラッチ(Latsch); 出典: Wikipedia BY-SA 3.0

出演者たちはカメラが回っていることも忘れるぐらい、本作にのめり込み、役柄になりきったという。セットも本格的で、フランクフルトとアルプスを行き来するシーンでは、100年以上前の初期蒸気機関車が当時の客車とあわせて使われている。

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