ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW) 州最大で、ドイツ全土においても第3位の規模を誇る産業地帯を抱く南ヴェストファーレン。

しかし、この地域の実力はそれだけにとどまらない。南ヴェストファーレンの各地域から、代表的なスポットや有力企業をずらりご紹介しよう。

出典: © suedwestfalen.com
1)中世のムード満点のゾースト
出典: © Gero Sliwa

かつてのハンザ同盟都市ゾースト(Soest)は、南ヴェストファーレンにおいてとくに見どころの多い場所。木骨建築と教会の多いロマンチックな雰囲気の旧市街には7つの由緒ある教会があり、その美しい旧市街で開かれる欧州最大の祭り「アラーハイリゲン・キルメス(Allerheiligenkirmes)」は必訪のイベント。

約400軒の店や屋台、1万人を収容する巨大ビールテント、観覧車や絶叫マシーンなど40余りの乗り物やアトラクションの移動遊園地など、その規模は圧巻。今年でなんと680回目の開催となり、毎年11月の万聖節に5日間開かれ、約100万人が足を運ぶ。

ちなみにシンボルキャラクターはこちらの「イェーガーケン(Jägerken)」。いかにもドイツらしい(?)ゆるキャラだ。

出典: Wikipedia CC BY-SA 3.0

ゾーストには、1304年に設立されたヴェストファーレン最古のレストラン「ピルグリムハウス(Pilgrimhaus)」)がある。一度は訪れてみたい名店だ。

出典: © pilgrimhaus.de
2)バッテリー界のマイスター
出典: © hoppebatteries.wordpress.com

ブリロン(Brilon)にあるホッペケバッテリー(HOPPECKE Batterien)社は、2000人以上の従業員を抱え、約4億ユーロを売り上げるヨーロッパ最大のバッテリーシステムメーカーだ。1927年の創業で、現在は電気自動車やソーラー・風力発電、鉄道のためのバッテリーシステムを多く生産している。

3)世界から愛されるピルスナービール
出典: © Krombacher.de

国内外で人気を誇るピルスナービール「クロムバッハ・ピルス(Krombacher Pils)」を生んだのはクロイツタール(Kreuztal)。クロムバッハ醸造所は1803年に設立され、現在はドイツ国内第2位の規模にまで成長。クロイツタールの名所であるキンデルスベルク塔をモチーフにしたシンボルマークがラベルに使われている。

4)信頼とデザインのドイツ製水栓金具
出典: © Dornbracht.com

イザーローン(Iserlohn)に拠点を構えるドンブラハ(Dornbracht)社は、バスルームやキッチン設備のための高級水栓金具メーカー。その品質とデザイン性で国内外問わず多くのファンを獲得し、国際的な賞を幾度も受賞している。

秘密はATT(Ambiance Tuning Technique)と名付けられたシステム。シャワーなどの水量と温度を最適なものに調整し、ユーザーの心身を活性化させるもリラックスさせるも自由自在だ。

出典: © Dornbracht.com

また、同じく高評価の水栓メーカー、グローエ(Grohe)もイザーローンで設立されていて、現在は日本のLIXILグループ子会社として高品質な製品を世に送り出している。

5)80以上の国に輸出する焼き菓子メーカー
出典: © Kuchenmeister

クーヘンマイスター(Kuchenmeister)は、創業1884年の老舗菓子メーカー。バウムクーヘンやシュトレンなど、その品ぞろえは45種、500品。輸出の割合は35%にのぼり、80以上の国の人々の舌を楽しませている。

6)足元をしっかりあたためる高機能ソックス
出典: © Falke

日本でもファルケ(Falke)のソックスやストッキングを愛用している人も少なくないのでは? フランツ・ファルケ氏が1895年にシュマレンベルク(Schmallenberg)で創業した靴下メーカーのファルケ(Falke)社は、現在4世代目となる伝統あるファミリー企業。

つま先にRとLのマークが入ったファルケの人気定番商品の「RUN」や「WALKIE」は人間工学に基づいて開発されたシリーズだ。靴下のほかにもセーターやスポーツウェア、機能的なテキスタイルも製造している。

出典: © Santa Labo/Rakuten
7)ヨーロッパ最大規模の気球競技大会
出典: © warsteiner-wm.de

毎年多くの人々が心待ちにするイベントが、WIM(Warsteiner Internationale Montgolfiade) 。1986年からヴァルシュタイン(Warstein)ではじまったヨーロッパ最大の熱気球の競技大会だ。大手ビールメーカーのヴァルシュタイナーの協賛で、開催されるのは毎年9月の始めの週末。気球が次々と空へ飛び立つ様子は壮観のひと言だ。

8)旅好きなら見逃せない、世界初のユースホステル
出典: flickr/polybert49 CC BY-SA 2.0

ドイツで生まれた青少年の宿、ユースホステル。今やそのネットワークは世界中に広がり、約80の国と地域に約4000施設を数えるまでの規模になったが、ここ南ヴェストファーレンのアルテナ城 (Burg Altena) の中に設けられたユースホステルが、世界初の常設ユースホステルだった。1914年に誕生した「青少年の宿」は、当時のまま博物館として保存されており、見学が可能。

出典: © Sauerland Tourismus

もちろんアルテナ城そのものも観光スポットとして人気だ。別途新しく建てられたユースホステルに泊まることもでき、旅の貴重な経験のひとつになることは間違いない。

9)アルプス以北最大のスキー場
出典: © wintersport-arena.de

ウィンタースポーツを楽しみたい人には、ザウアーラント(Sauerland)地域にあるスキー場がおすすめ。300ヘクタールに及ぶ滑走区域内にある500kmにわたるコースに150のリフト、85箇所のコースにある400機のスノーマシーン……と、そのクォリティーは間違いなしだ。人工雪によって、積雪が保証されているというのもうれしい。

出典: © wintersport-arena.de
10)ドライバーの安全を守る縁の下の力持ち
出典: © hella.com

リップシュタット(Lippstadt)にあるヘラ(Hella)社は世界で最初にヘッドライトを開発したヘッドライトのパイオニアだ。ハロゲンヘッドライトのほかにも、眩しさを軽減させたキセノンヘッドライトや最新のLED技術が搭載されたヘッドライトなど、その名は世界の有名自動車メーカーから一目置かれる存在だ。

11)その歴史100年以上のソーセージメーカー
出典: © metten.net

フィンネントロップ(Finnentrop)で1902年に操業をはじめたメッテン(Metten)は、現在300人の従業員とともに高品質なソーセージを生産している。その数は年に約6000万本。

50年以上にわたって作り続けられている缶詰ソーセージ「ディッケン・ザウアーレンダー・ボックヴルスト(Dicken Sauerländer Bockwurst)」は、メッテン社の看板商品で、これまで様々な賞を受賞している。