真冬の屋内で見かける不思議な光景 — それはドイツ人のTシャツ姿。極寒のドイツではセントラルヒーティングが完備されている家が多く、彼らは部屋を暖かくポカポカにするのがお好き。

しかし、外出するときにはどんな寒さ対策をするのだろうか。また、冷えた身体をどうケアするのだろうか。

1. たまねぎ原理
出典: © bergfreunde.de

ダントツ支持されている寒さ対策、それはZwiebelprinzip – たまねぎ原理。つまり、たまねぎのように何枚も何枚も重ね着する方法だ。一番下のTシャツから始まり、薄手の長袖、その上に長袖シャツ、ウールなどの温かい素材のセーター、その上にフリースなどのジャケットを着込み、やっとウインドブレーカーやダウンジャケットなどのアウターを身にまとって身支度完了!

Zwiebelprinzipでは、厚みのあるものを着るのではなく、軽くて薄い素材のものを一枚でも多く重ね、一層でも多くの空気層をつくるのがコツ。凍えていると、Zwiebel式にしていないのか?と問われることもしばしば。

2. 手も足ももう一枚!
出典: © sperl-versand.de

100年の恋も冷めてしまいそうになる男性の股引姿。しかし、冬になるとドイツでは頻繁に目にするようになるのがそんな股引姿の男性たち。

厳しい寒さの日にズボン一枚で外出するほうがよっぽど勇気が要ることらしく、ズボン下を履いている人がほとんど。スパッツのようなものではなく、古風な白色やクリーム色の前開き股引愛用者も多い。

女性はタイツやレギンスを着用。そして、靴下も手袋も二枚重ね。厚手のもの下に薄手のものを身につけ、二重で、冷たい外気温から身を守る。

3. ウールの帽子にウールのマフラー
出典: flickr/Boris Thaser CC BY 2.0

外気に触れる箇所で残るは頭と首だ。そこはやはり帽子とマフラーの出番。寒さ対策としてドイツでよく使われるキーワード — それは“wollig”。つまり、ウール素材が防寒の強い味方とされている。帽子やマフラーもウール素材のものが支持されている。

4. 足湯と湯たんぽ
出典: © naturmedizin-leben.de

冷える夜には何と言っても温かいお風呂が一番! 日本人はそう考えるが、水道代が割と高く、洗い場がないために基本一人一湯船で水を捨ててしまうことになるお風呂にドイツ人はそう簡単には入らない。安価で手軽に身体を温められる方法として人気があるのは何と言っても足湯!!

バスオイルやバスソルトを足湯専用のバケツに入れ、編み物をしたり、読書をしながら、お湯が冷めてきたら差し湯をしながら身体全体が温まるまでゆっくり足浴する。

出典: flickr/Poppy Bubbleroot CC BY-NC 2.0

そして、足が冷たくて眠れない人がベッドに行く前に準備するのは、湯たんぽ。一家庭に一湯たんぽというぐらいエコ大国ドイツでは湯たんぽが重用されている。足湯と湯たんぽは特に下半身が冷えやすい女性たちに人気だ。

5. グリューワインは日本の甘酒や卵酒
出典: Wikipedia CCO

寒い日にドイツ人家庭を訪問すると、部屋中が心地よい香辛料に包まれていて、うっとりすることがある。その正体はグリューワインだ。グリューワインはクリスマスマーケットだけで飲まれているのではなく、日本の寒冷地で甘酒や卵酒が頻繁に飲まれているのと同じように、冬の間じゅう、各家庭で気軽につくられ、愛飲されている。冬季限定でグリューワインがメニューに加わるカフェやバーも多い。

6. ちょっとした特別感を味わいたい時には生姜
出典: © Fotolia

決まりきった民間療法ばかりというのもつまらない。身体を温める方法として、ドイツ人がちょっとした特別感を味わいたい時に手に取るのは生姜だ。料理に使うより手軽だからか、人気があるのはIngwertee(ジンジャーティー)。

紅茶やルイボスティーにスライスした生姜や、すりおろした生姜を加えたり、すりおろした生姜に熱湯を注ぎ、レモン汁と蜂蜜を加えたIngwerteeも人気だ。