サンドラの日独比較 Vol. 4
ドイツは「女子力」に寛容ではない社会!?

寒波の到来でまいにち寒いですね。そんな寒い中でも、周りを見渡すと、かわいいスカートにストッキング、そしてヒールを履いている女子をちょくちょく見かけます。やっぱり日本ですね。だって、ドイツでは「女子力」よりも、まずは「防寒」なんです。よって、基本的に女子もパンツスタイルで、スカート姿を見かけることは滅多にありません@ドイツ。当然、靴はヒールのない「ぺったんこ」のものを愛用。

日本は普段から「女子が好きそうなかわいい物」、「おしゃれな物」で溢れかえっています。メディアも率先して「女子向けの商品やサービス」を取り上げています。「趣味はショッピング」の女子もいますし、日本においては「女子力」にお金をかけることが社会的にも認められている気がします。

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しかし、ドイツではそうはいきません。ドイツにおいては、車やビール、サッカー観戦、釣り用具、大工道具などいわゆる「男性的な物」にお金を使うことは社会的に認められています。が、「女子をきれいに見せる物」やいわゆる「女子力を引き出すグッズ」にまつわる出費には、どういうわけだか、シビアな視線を向けるドイツ人が多いです。つまりは「女子力」にまつわる出費にはドケチなんです!!(笑)

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嘘だと思うなら、ドイツ人に「私、ネイルアートが大好きなの!」と報告してみてください。きっと眉間にしわを寄せた顔で「それって、いくらかかるの?!」という質問が返ってくるに違いありません。「う~ん、月に一万円ぐらいかな…?」なんて答えた日には色々と反論が返ってくるに違いありません。当然、スキンケア(顔含む)の出費は「ニベアで十分!」というのがドイツ人の共通認識でございます。

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そのような背景から「女子力」向上のための本格的なネイルサロンやエステの数も日本ほど多くありません。ドイツでは、化粧をしないことが「普通」なので、日本語の「すっぴん」にあたる言葉はそもそも存在しません。

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化粧をするということは、手を加えるということなので自然ではない、不自然だという意見がドイツでは多いのですね。「自然が一番」というわけです。

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この延長線にあるのが、Nacktkultur(裸文化)です。つまり、裸=自然、自然=裸というもので、ビーチでもサウナでもドイツ人は男女共に裸になることにあまり抵抗がありません。

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最近では全身裸で行うヨガ、Nackt Yoga(裸ヨガ)も人気を呼んでいます。

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このあたりの感覚はだいぶ日本人とは違う気がします。ドイツに出かける日本人の方は、ドイツにおける【女子力ナシ⇒自然⇒裸文化】の関連性をある程度知っておくと、ショックが少ないかもしれません。

続きは、著書『「小顔」ってニホンではホメ言葉なんだ!? ドイツ人が驚く日本の「日常」』をご覧くださいませ。

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフはナニジン?」、「ハーフといじめ問題」、「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ) など計11冊。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。