サンドラの日独比較 Vol. 2 ドイツ人は傘がキライ!

ドイツ人が日本に来て驚くことの一つ – それは日本人が日傘まで使って太陽を避けようとすること。これには本当に驚きます。なんてったって、ドイツ人がしていることと正反対なのですから。

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ドイツには日焼け=健康的・美人=リッチという考えがあります。気候的に日光量が少ないからなのでしょう。休暇をドイツ国内で過ごすなど論外で、どこか南の島のビーチで全身をめいっぱい日焼けさせて帰ってくるのがドイツ人のステータス。

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そもそもドイツ人は傘自体があまり好きではなく、”nicht aus Zucker sein” という言い回しまであるほどです。直訳すると「砂糖でできているわけではない」という意味ですが、要は「多少濡れても砂糖のように溶けるわけではないのだから、傘などイチイチさす必要はない!雨に濡れても平気!」というわけです。

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“Wir sind ja nicht aus Zucker!” とか ”Bist Du etwa aus Zucker?” などという使い方をしますが、これらにも要は「僕らは弱々しくない、たくましいのだ!」とか「あなたはそんなにヤワなの?」というメッセージが込められているのです。もしちょっとした雨で傘をさしているものなら、「この程度の雨で!?」とか「軟弱者ね!!」のような白い目で見られることに!

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日本と違ってしょっちゅう雨が降るドイツでは、いちいち雨が降るたびに傘をさすのは煩わしいし、その頻繁に降る雨は小雨であることが多く、日本のような大粒の雨や豪雨のような雨は滅多に降らないという違いもあるのでしょう。 そしてドイツは日本ほど湿度が高くないので、たとえ濡れてしまっても、簡単に乾くということも関係しているかもしれません。

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皆さんもドイツに行ったら、周りを見て傘をさすべきか否かを慎重に判断してくださいね。残念ながら、ドイツ人の感覚では【日傘は即アウト】なので、悔しいけど日焼け止めで乗り切りましょう!!

続きは、著書「満員電車は観光地!? 世界が驚く日本の“日常”」をご覧くださいませ。

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフはナニジン?」、「ハーフといじめ問題」、「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作:サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ) など計11冊。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。