もうすぐクリスマス。この季節、ドイツ人たちがもっぱら買い求めるのは「ドレスドナー・シュトレン(Dresdner Stollen)」!

今や日本でもクリスマス時期にはその名をよく耳にするようになったドイツの伝統菓子、シュトレン。

もちろん、ドイツ人にとっても粉砂糖をふったクリストシュトレンはクリスマス菓子として外せない大切なもの。ただ彼らがこのシーズンに夢中で手に入れようとするのはドレスデン製のシュトレン – ドレスドナー・シュトレンだ。

出典: Fotolia

シュトレンの発祥地、ザクセン州。そして、中世の頃からザクセン公国の重要な宮廷都市として栄えてきたドレスデンでは、時代を超えてシュトレンの洗練性が磨かれてきた。

出典: © Dresden Tourismus / © Anja Upmeier

現在、ドレスデンにあるシュトレンを提供する店の数は130を超える。ドレスデンにある、ドイツ最大のシュトレンメーカー「クヴェント(Quendt)」は、毎年170万個ものシュトレンを製造・販売している。

出典: © dr-quendt.de

しかしドレスデンのシュトレン作りにも苦難の時代があった。戦後のDDR(ドイツ民主共和国)時代には、オレンジピールやレモンピール、レーズンやアーモンドなどが手に入らず本来のシュトレンが作れなくなった。

そこで、政府の研究所は代替品を開発。オレンジピールはゆでて砂糖漬けにしたニンジンで、レモンピールは同じく砂糖漬けにした青トマトで代用された。

こちらは東ドイツ時代のシュトレンのパッケージだ。

出典: © ossikult.de

1990年の東西再統一以降、職人たちの尽力により、DDR時代以前の最上級シュトレンへ無事に回帰を果たしたドレスデンのシュトレン。

ドレスデンで作られるクリスマス用のシュトレン「ドレスドナー・クリストシュトレン(Dresdner Christstollen)」は、2010年に商標登録され、保護の対象となっている。

出典: Dresden Tourismus

ドレスドナー・クリストシュトレンは、ドレスデン地域で焼かれたものでなくてはならず、もちろんその品質規定も厳しい。

小麦粉1kgにつき、使用できるのは500gのバターor溶かしバターの上澄み、650gのレーズン、200gのレモンピールとオレンジピール、150gのアーモンドと分量配分が定められている。もちろん食品添加物は一切認められていない。

出典: © Dresdner Backhaus

ドレスデンの職人らは、この分量配分を守りつつ、代々伝授されてきた門外不出のレシピと製法でシュトレンの味を極めんと日々努力している。
これらの規定を守った正式なドレスドナー・クリストシュトレンのパッケージには「Dresdner Stollen」の印章が輝いている。

「ドレスドナー・シュトレン保護連盟(Schutzverband Dresdner Stollen)」は、職人たちがそれらの規定を遵守しているかを厳しくチェック。さらに、職人の技術レベルをはかるために、毎年、公開テストを行っている。

20ポイント中16ポイント以上を獲得できなかった職人は、自分が焼いたシュトレンを「ドレスドナー・シュトレン」という名で売ることはできない。

出典: Dresden Tourismus

近年は、「ベッカライ・クラウゼ(Bäckerei Krause)」のシュトレンが最高得点を連続して獲得しており、ドレスデンで一番の、要するにドイツで一番美味しいシュトレンだと評されている。

この度、デアディダスは、ベッカライ・クラウゼとの直接交渉に成功。日本へシュトレン小包便特別配送を手配しました。小包は大手輸送会社DHLで直接ご自宅に配送されるので安心です。今年のクリスマスは、発祥地オリジナルの最上シュトレンで祝ってみませんか。