「テーブル」に「バッグ」に「ケーキ」。外来語といえば英語が主流だが、日本語に溶け込んだドイツ語も意外と多い

《医療用語》
日本はドイツから医学を学んだため、医学用語にはドイツ語がたくさん!

カルテ – Karte
日本語では、医者が患者の病状を記した「診療簿」を意味するが、ドイツ語ではKarteは一般的に「カード」のこと。「Postkarte」であれば「葉書」。昔は日本の医者も「カルテ」にはドイツ語で記入していたとか。

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レントゲン–Röntgen

出典: Wikipedia CC BY-SA 3.0

ギプス–Gips
ドイツ語では医療用以外にも広く「石膏」を意味する。

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クランケ- Kranke
医療ドラマでよく耳にする「患者」を表す「クランケ」は、ドイツ語の「患者」「病人」という単語から来ている。

出典: flickr/Claus Rebler CC BY-SA 2.0

他にも、アドレナリン(Adrenalin)、アレルギー(Allergie)、ガーゼ(Gaze)、ケロイド(Keloid)、コラーゲン(Kollagen)、チアノーゼ(Zyanose)、ツベルクリン(Tuberkulin)、ノイローゼ(Neurose)、ヒステリー(Hysterie)、ホルモン(Hormon)、ワクチン(Vakzin)など、ドイツ語由来の医療用語は数多くある。

《山用語》
登山やスキー用語にもドイツ語が多い。スキーはオーストリア人によって日本にもたらされた。

ゲレンデ– Gelände
ドイツ語ではもっと広く「土地」や「用地」と言った意味なので、スキーゲレンデを表す場合には「Skigelände」と言う。

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シュプール– Spur
こちらもドイツ語では、スキーやスノーボードの「滑走跡」限定ではなく、一般的に「跡」という意味。

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ヒュッテ– Hütte
山小屋を意味する「ヒュッテ」もドイツ語。

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ヤッケ – Jacke
日本では登山用ウィンドブレーカーのようなものを指すが、ドイツ語では広く「ジャンパー・ブルゾン」のこと。

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リュックサック– Rucksack
日本では最近は英語のバックパックの方が一般的で、なんとなく古めかしい言葉となったが、ドイツ語では今も昔もリュックサックだ。

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ザイル– Seil
「ロープ」のこと。

出典: flickr/jumo. CC BY-NC 2.0

他にもシュラフ(Schlafsack寝袋)、ストック(Stock杖)、ツェルト(Zeltテント)、アイゼン(Steigeisen靴に装着する滑り止めの金属爪)などが日本でよく使われている。

《その他》
普段何気なく使っている言葉にも、ドイツ語の単語がこんなに!

アルバイト– Arbeit
ドイツ語では「労働・仕事」という意味で、日本語の「アルバイト」という意味ではない。

メルヘン – Märchen

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バウムクーヘン– Baumkuchen
「バウム」は「木」で「クーヘン」は「ケーキ」のこと。木の年輪のように層が重なっていることから名付けられた。

ユーハイムのバウムクーヘン; 出典: flickr/pelican CC BY-SA 2.0

メッセ – Messe
「見本市」というドイツ語だが、同時にキリスト教の「ミサ」も意味する。

出典: flickr/Lawrence OP CC BY-NC-ND 2.0

日本語の中にすっかり馴染んでいるものには他にもエネルギー(Energie)、カテゴリー(Kategorie)、シュプレヒコール(Sprechchor)、グミ(Gummi)、ワッペン(Wappen)、メトロノーム(Metronom)などあって、実は挙げればキリがない。そして、忘れてはならないのが化学用語。ウラン(Uran)、カリウム(Kalium)、ナトリウム(Natrium)、マンガン(Mangan)、チタン(Titan)、クロム(Chrom)など、化学分野に強いドイツの存在力をあらためて知ることとなる。