世界的なチーズの大会で毎年優勝を争うスイスチーズは、できるだけ自然に、できるだけ動物に優しく、丁寧に手作りされていた。

スイス料理といえばチーズフォンデュとラクレットを思い浮かべる人も多いだろう。スイスは誰もが認めるチーズの国だ。

チーズフォンデュ

チーズフォンデュ
出典: Facebook/Schweizer.Kaese

ラクレット

ラクレット
出典: Facebook/Schweizer.Kaese

スイスチーズは濃厚で力強い味が特徴で値段も高価。

スイスチーズは濃厚で力強い味が特徴で値段も高価。
出典: Facebook/Schweizer.Kaese

スイスチーズには約450もの種類がある。

スイスチーズには約450もの種類がある。
出典: Facebook/Schweizer.Kaese

スイス人は自然保護と動物愛護に基づくチーズ作りの先駆者で、乳牛の飼育環境にまでこだわった製法が守られている。

乳牛は牧草地に放牧されていて、山を自由に歩き回っているのでストレスが少ない。最高の餌を食べ、とびきり品質の良い牛乳を出す。

Kuehe
出典: Facebook/Schweizer.Kaese

スイスチーズは自然素材100%で作られている。2002年から人工着色料や人工保存料などの人工添加物の放棄が推奨されている。

家族経営の手作り工房が多く、遺伝子操作は行わずサイレージ飼料も使わない。絞りたての牛乳が工房でただちにチーズへと加工される。

AOC(原産地呼称統制)に登録されているチーズは、その地域で絞られた牛乳から作られている。牛乳からチーズとなり出荷されるまで、ずっとその地域内で取り扱う。

出典: Facebook/Schweizer.Kaese

スイスチーズは、2年ごとに開催される世界大会「ワールドチャンピオンチーズコンテスト(World Champion Cheese Contest)」で常に表彰台に上がる。

2010年はスイスのチーズ製品が優勝と準優勝に輝いた。

2012年はセミハードチーズが準優勝。

2014年はエメンタールの生乳チーズが優勝した。

こちらが世界一のチーズ。

2014年はエメンタールの生乳チーズが優勝した。
出典: Facebook/Schweizer.Kaese
2014年はエメンタールの生乳チーズが優勝した。
出典: schweizerbauer.ch

日本でも人気のエメンタールチーズは、スイス人の食卓には欠かせない。

このCM動画のようにスイスの大自然の中で食すると美味しいさも倍増!

今年2016年はセミハードなウルネッシャー ホーンクーチーズ(Urnäscher Hornkuhkäse)で、スイスチーズは準優勝した。

左が Urnäscher Hornkuhkäse; 出典: urnaescherkaese.ch

このチーズの原料は除角されていない牛の乳である。通常農家では、動物や人間が傷付くのを防ぐため、乳牛の角を取り除く。角があるかないかは、牛乳の品質に影響を与える訳ではないが、有る方がより自然だ。ホーンクーチーズ(Hornkuhkäse)とは、「角のある牛のチーズ」という意味。

ホーンクー = 角のある牛; 出典: ©Max Spälti

このチーズ工房の特徴は、生乳をミクロフィルターにかけて殺菌することだ。熱を加えないため、生乳の風味を損なうことなく殺菌できる。チーズを食べた後にお腹にガスがたまることもない。

ミクロフィルター

出典: urnaescherkaese.ch

最後に、有名なスイスチーズ「グリュイエールチーズ」ができるまでを動画でご紹介。