オーストリアのブレゲンツで1946年より開催されている「ブレゲンツ音楽祭(Bregenzer Festspiele)」。その舞台は、多くの人々を魅了してやまない。

ブレゲンツ音楽祭は、ウィーン交響楽団をレジデント・オーケストラにむかえ、主に4つの劇場を会場にして開かれる。2016年の開催期間は、7月20日から8月21日。

こちらは2015年に行われたプッチーニのオペラ『トゥーランドット』の模様。

演出に「水」が使われていることにお気づきだろうか。この斬新な演出を実現できたのは、ブレゲンツ音楽祭の舞台が建つある場所のおかげ。

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出典: © Bregenzer Festspiele / Karl Forster

そう、「Seebühne(Seeは湖、Bühneは舞台)」の名の通り、ブレゲンツ音楽祭のメイン舞台は、ボーデン湖上に設営されているのだ。客席は7000席で、主に大規模なオペラやミュージカルが上演される。

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2001: La Bohème; 出典: © Karl Forster

舞台は湖底に固定され、舞台設備、オーケストラピットに加え、楽屋なども湖上に設置されている。基礎はコンクリート造りだが、舞台そのものは木製。十分な演出効果を発揮させるために、通常の舞台サイズの2分の3程度の大きさとなっている。

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出典: Wikipedia CC BY-SA 3.0

舞台幕もないため、シーン転換を早く、静かに行えるように作られているのも特徴だ。

屋外に設置された舞台のため、もちろん、積雪や温度変化、雨や強風などに耐えうるものでなくてはならない。こちらは越冬の準備が進められている様子。

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出典: © Bregenzer Festspiele / Lisa Mathis

音響設備もオープンエアの舞台のために用意された特別なもので、観客に強い印象を与える音を実現。演者の動きに合わせてスピーカーが微調整されるため、音の遅れもごくわずかだという。

有名なモーツァルトの『魔笛』も、湖上舞台ならこのとおり。

ブレゲンツ音楽祭のチケットはこちらから購入可能だ。Seebühneでの開催であることを要確認。
bregenzerfestspiele.com/en/spielplan